小樽文学館

常設展のご案内

伊藤整、石川啄木、小林多喜二 文学館では、収蔵された資料の保管に万全を期すとともに、将来にわたっての文化の糧とすべく十分に活用されるように努めています。資料の一部は、作家の業績を解説したパネルや、小樽文学史年表、写真などとともに展示紹介しています。これらの展示は小樽の風土と文学とのかかわりを考える糸口となることでしょう。収蔵資料は展示しているものも含め、閲覧研究室でご覧いただくことができます。 常設展示のほかにも文学にかかわる様々なテーマによる特別企画展を催し、文学講座や、作家と作品ゆかりの場所を訪ねる文学散歩を実施しています。これらの催しにもぜひ気軽にご参加ください。

おもな収蔵資料(寄託資料を含む・順不同)

小林多喜二(1903-33) 友人宛書簡、書込入旧蔵書、妹への署名献呈本『東倶知安行』、戦旗社版『蟹工船』初版、葬儀香典控、デスマスク、死亡を報ずる新聞記事、虐殺に抗議するビラ、他

小林多喜二著「東倶知安行」と妹宛の献辞

小林多喜二著「東倶知安行」と妹宛の献辞

伊藤整(1905-69) 戦前刊行分前著作、川崎昇宛詩稿付書簡、書込入旧蔵英単語帳、色紙、他

堀内規次画「伊藤整肖像」 伊藤整詩稿(川崎昇宛書簡より)

堀内規次画「伊藤整肖像」 伊藤整詩稿(川崎昇宛書簡より)

石川啄木(1886-1912) 高田紅果・宮崎郁雨・金田一京助の啄木を偲ぶ色紙、紅果原稿「啄木在住時代の思出」、紅果旧蔵啄木関係資料、他

岡田三郎(1890-1954) 『巴里』跋文原稿、同書名本、『秋・冬』『物質の弾道』などの著作と草稿、日記・井伏鱒二筆三郎肖像戯画、三郎宛伊藤整・尾崎士郎他作家書簡、他

早川三代治(1895-1962) 『土と人』4部作他前文芸および経済学関係著作、『ル・シラアジュ』原稿、同人誌『白夜』、他

八田尚之(1905-64) 『罪』原稿、『ふるさとの詩』詩幅、同舞台模型、映画・演劇脚本、他

石塚喜久三(1904-87) 「続纏足の頃」所載『散文派』、『回春室』、『情婦』、『肉体の山河』、他

川端克二(1911-45) 『北海の男』原稿、『霧海』、自筆作品目録、メレヨン島従軍日記、他

小田觀螢(1886-1973) 全歌集、『北海道歌壇史』原稿、歌幅、色紙、短冊、觀螢宛太田水穂・安倍能成書簡、『新墾』創刊号、旧蔵文芸投稿誌『文章世界』、他

小田觀螢旧蔵「文章世界」

小田觀螢旧蔵「文章世界」

戸塚新太郎(1889-1965) 文芸誌『おれたち』『群像』『クラルテ』『北方文芸』(第一次)『新機械派』、歌誌『新樹』『原始林』(第一次)を含む旧蔵書約2200冊、歌幅、他

並木凡平(1891-1941) 歌集『赤土の丘』『廃船のマスト』、口語短歌誌『新短歌時代』、同『青空』、「グラスに刻む歌」原稿、「常盤町・大町日記」原稿、中村善策筆凡平肖像画入歌幅、色紙、短冊、凡平コップ、歌入表札、他

並木凡平歌幅(中村善策画)

並木凡平歌幅(中村善策画)

比良暮雪(1868-1969) 『北海道樺太新季題句集』、同原稿、『緑丘吟社会報』、句稿ノート、短冊、句幅、暮雪宛高濱虚子・飯田蛇笏書簡、他

田中五呂八(1895-1937) 『新興川柳詩集』、『新興川柳論』、川柳誌『氷原』、短冊、他

小熊秀雄(1901-40) 『小熊秀雄詩集』、『飛ぶ橇』、『流民詩集』、他

吉田一穂(1898-1973) 詩集『海の聖母』、名達博宛書簡、書「鎮魂歌」、詩幅「白鳥」、『自然児』第1輯、他

宮原晃一郎(1882-1945) 宮原宛有島武郎書簡、「海の子」入選通知、童話集『竜宮の犬』、宮原訳ハムスン著『飢ゑ』、他

●他に、沙良峰夫、大野百合子、左川ちか、村木雄一、東郷克郎、岡崎信男、違星北斗、小納迷人、松原地蔵尊、高濱年尾、矢田枯柏、八橋栄星、清水冬眠子、佐藤冬児、牧屋善三、林容一郎、高崎徹、河原直一郎、山中恒、石原慎太郎関係資料等

 

※小樽文学館では、よりいっそう内容の充実を図るため資料収集に努めています。上記の作家、およびそのほか小樽に関連のある文学資料全般についての情報などご提供いただけましたら幸いです。