歌人・戸塚新太郎は、明治32(1899)年に群馬県で生まれ、誕生の翌年に両親と共に小樽に移住し、以降、小樽の街で生い立った。大正5(1916)年頃より作歌を行う。始めは保険会社・奥田商会の同僚であった歌人・高田紅果らと親交を結び、やがて、さらなる歌境の深まりを求めて歌誌『くろばあ』を創刊。また、小林多喜二らと共に文芸誌『クラルテ』にも参加した。北海道を代表する歌誌『原始林』には、大正13(1924)年の第一次発足の時から初期メンバーとして参加。世を去るまでの長きにわたり、作歌と後進の指導に力を注いだ。
本展覧会では、小樽の初期短歌界を、そして後には北海道の短歌界をも牽引した戸塚新太郎の歌業を再評価すると共に、深く山を愛し、若い頃から、日本で最も初期の〈山岳歌人〉の一人として知られた戸塚独自の作品世界を紹介します。合わせて、山野草を愛し、多種多様かつ膨大な高山植物のコレクションを育て、植物に関する随筆を数多く執筆した、ユニークなエッセイストとしての戸塚新太郎についても、新たにスポットを当てたい。
休館日:月曜日(9月21日、10月12日、11月23日を除く)、9月24日(木)、25日(金)、29日(火)、30日(水)、10月13日(火)、14日(水)、11月4日(水)、24日(火)、25日(水)
入館料:一般300円、高校生・市内高齢者150円、中学生以下無料
日時:2015年10月17日(土) 午後6時~7時30分
場所:文学館展示室
聴講無料