小樽文学館

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日本縦断文学碑めぐり

休館日:月曜日・11月24日・12月24日
開館時間:午前9時30分~午後5時
入場料:一般300円 高校生・市内の高齢者150円 中学生以下無料

石川啄木歌碑拓本採り石碑は古くから世界中で作られ、中国では紀元前5世紀には石刻文字、刻石といったものがあり後の碑の先駆となったといわれています。
紀元後2世紀、製紙法が発明されて、まもなく拓本(展示参照)の技術も確立され、書の伝統を後世に伝えてきました。
石碑には仏像などの由来を記した造像記や墓碑などの他、人物・名勝などをたたえたものがあり、またすぐれた詩・文章などを刻んだものもありました。
日本でも8世紀には頌徳碑や地誌を記した碑がありましたが、詩文を刻んだものは江戸期になってからで、17世紀末には万葉歌碑が、そして18世紀半ばには近代詩文碑の祖ともいうべき芭蕉句碑が各地に建ちはじめました。
近代詩歌や散文を含んだ「文学碑」という呼称はまだ歴史が浅く、戦後昭和23年に建てられた「徳田秋声文学碑」(谷口吉郎設計)に初めて使われたといわれています。
昭和30年代には建碑が盛んになり、50年代には「文学碑ブーム」とさえいわれるほど各地で建立があいつぎました。これらはミュージアムとしての「文学館」、学習と趣味を兼ねた「文学散歩」とともに、日本独自の文化現象にまで発展したといえます。
現在「文学碑」と呼べる石碑は、小樽市内だけでも30余基、全国では古碑を含めると6万基を超えるとさえいわれています。それらをすべて紹介することは不可能ですが、今回は全国40余の文学館のご協力をいただき、数百にのぼる各地の文学碑をご案内させていただきます。
文学には書物という「紙碑」があれば十分、と言われもしますが、石碑に刻まれた詩文は、長い年月で周囲の環境が変化しても朽ちることはなく、土地と人の物語を紡ぎ続けるといってもよいでしょう。
展示資料を参考にして、ぜひ思いがけぬところにたたずむ詩文のいしぶみを訪ねてみてください。